ワクチン先行接種開始へ・・・河野大臣に聞く(全文)(2021年2月16日)

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17日から約4万人の医療従事者を対象に新型コロナウイルスワクチンの先行接種が始まります。ワクチン接種の担当、河野大臣に聞きます。

(Q.就任して1カ月。どのような1カ月でしたか)
今までインフルエンザのワクチンは毎年打ってますけども、ワクチンとの関わりはそれくらいだったので、色々とワクチンの勉強をしました。ただ、色々なことが起きます。注射器の問題や、先週末の地震など、色々起きます。100%の計画を作っても、色々なことが動いて、その通りにはいかないと思います。そういう意味で、自治体としっかり意思疎通をしながら、何が起きても、皆でリカバリーをやっていける計画を作っていくことが大事だと思っています。

17日から新型コロナ患者に接する国立病院などの医療従事者約4万人への接種が始まります。4万人のうち、2万人が日誌を書くといいます。
(Q.何を管理するのでしょうか)
健康状況を記録して報告をして頂きますので、副反応情報とかも取れる部分は、しっかりお伝えをしていきたいと思います。

その後、一般の医療従事者など、約370万人への接種を順次、行い、4月から65歳以上の高齢者への接種を始めます。
(Q.4月1日以前に接種はしないという狙いは何なのでしょうか)
予約をして、ワクチンがなくて、その日に来た方に打てませんでしたということ、これは大変混乱を致しますので、しっかりと在庫を持ったうえで、必ずワクチンが途切れずに供給できるような体制をとってスタートしなければいけないと思っています。4月のどこかの時点で、ゆっくりと色んなことを確認しながら立ち上げていくことをやっていきたいと思っています。私のスケジュールには五輪は入っていません。そこを気にすることなく、供給に応じて接種を進めていきたいと思っています。

この接種を行う期間、実は、来年の2月末までとなっています。
(Q.来年2月末までに国民への2回の接種は終えられますか)
そこまでにしっかりやり切りたいと思います。ワクチンの有効期限というのもありますから、ダラダラやるわけにはいきません。

(Q.何かネックになる可能性がありますか)
世論調査の数字を見ていてもご高齢の方は、それなりにワクチンを打とうと思っている方の割合が高いように思います。若い世代になると、少しずつ数字が下がってきています。やはり新型コロナの感染症は、若い方でも発症して後遺症が残っている方もいるので、私は若い方にもしっかりと考えて打って頂きたいと思っています。若い世代にいかに、接種勧奨するかというところが大事かなと思っています。

日本は現在、ファイザーから7200万人分、アストラゼネカからは6000万人分、モデルナ社からは2500万人分と、3社合わせて、日本の人口を補う1億5000万人分の契約を結んでいます。ファイザーの第1便では、40万回分が届きましたが、その都度、その都度、輸出に、EU(ヨーロッパ連合)の承認を得なければいけません。

(Q.順調に申請すれば通るのでしょうか)
今のところ、1便ずつ承認を取るという形で動いています。第1便、第2便の承認までいったところです。日本とEUの関係は非常にいいのはよく分かっているし、そんなに問題があるわけではない。ただ、『承認を取ってくれ』というところです。今の数字は特にEUからも問題にはなってないかと思います。EUの中で、このワクチンが行き届いていれば、日本にも問題なく出てくるということになると思います。EUは輸出禁止をしてるわけじゃない、皆で公平にやろうということだから、そこは、きちんととEUと話をしながら供給を確保していきたいと思っています。

(Q.高齢者接種への具体的な、時期が示せないことについて、『高次な連立方程式』と話していましたが、ファイザーの供給数とEUの承認がカギですか)
その2つがうまくいけば供給数は、きちんと確保できると思います。医療従事者の数、これが厚労省の推計で370万人といっていますが、新型コロナウイルス感染症に関わる医療従事者の数がどれぐらいかという報告を都道府県からあげて頂くと、もう少し数字がはっきりしてくる。その中で、何割の方がワクチン接種をするかということもまた方程式の中で意識の中に入ってきます。

(Q.仮に3社の輸入が滞ったら、他のワクチンに頼ることはありますか)
今の3種類のワクチンで恐らく、必要な分はカバーできると思いますので、よほど何かない限りは、その3種類でいこうと思っています。やはり、必要以上に買い占めるっていうことはやはり避けなければいけないと思います。だから、貴重なワクチンを日本がきちんと使いきるっていうことは大事なことだと思っています。

(Q.注射器の確保はどうなっているのでしょうか)
今、一生懸命努力をしているところです。やはり貴重なワクチンですから、これは何が何でも6回取れる針を確保して、1瓶から、とにかく6回取るというつもりで動こうと思っています。

(Q.欧米に比べて2カ月遅れになりましが、反省点はありますか)
ファイザーが国際的に治験を始めると去年言った時、日本の状況は欧米と比べてはるかに感染者数も少なく、重症者の数も少なかったわけですから、日本は対象になりませんでした。しかし日本政府が働き掛けをして10月に治験が始まりました。日本人で安全性の確認をやったうえで、国民の皆さんに打って頂くという。厚労省のこの判断は安心感を与えるという意味で正しかったと思います。

(Q.元の生活に戻れるのはいつごろだと考えていますか?)
その想定はなかなか難しいと思います。
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