沖縄では20日、過去2番目となる198人の新型コロナ感染が確認されました。病床使用率はすでに98%を超えています。
こうした状況を受け、政府は、沖縄を緊急事態宣言の対象に追加する方針を固めました。期間は、今月23日から来月20日までとする方向です。
沖縄県と同様に宣言を要請していた岐阜県については、追加を見送る考えです。
一方で、10県に適用しているまん延防止等重点措置のうち、愛媛県については「状況が改善されている」とし、期間を前倒しして今月22日で解除する方針です。
兵庫県では、新たに209人の新規感染者が確認されました。また、2人がインド型変異ウイルスに感染していることが分かりました。インド型が県内で確認されるのは初めてです。
特に神戸市は、第4波で感染者が爆発的に増え、病床使用率は90%を超えています。入院待ちの患者が1200人以上いるなかで、一日に入院できるのは多くて20人程度です。
保健師・丹啓介さん:「1つの病床に対して、入院させるべき人が2人いて、どちらをという選択を迫られることは多々ある。病床数が少なくて調整がつかず、救急隊の方に引き揚げてもらって、もうしばらくお待ち下さいとしか伝えられないところがしんどい」
こうした状況のなか、入院できない患者の重症化を食い止めようと、奔走する人もいます。
訪問看護師の藤田愛さんは、神戸市から委託され、今年3月からコロナ患者の自宅を訪れています。
訪問先では、玄関で防護服や手袋などを身に着けます。
訪問看護師・藤田愛さん:「本当は外で着て、中に入るのが良いんですけど、ご近所の目があって、コロナの人がここにいるとなるので、中に入って着替えざるを得ない」
2カ月間ほぼ休みなく、患者の自宅で酸素投与や点滴などを行ってきた藤田さん。一日で10件以上回ることもあり、訪問回数は150回を超えました。
先月下旬、藤田さんのもとに、入院先が見つからない30代男性の訪問看護の依頼がありました。忙しいなか、自宅についたのは午後9時過ぎ。男性は激しいせきもあり、話せない状態で、病状は深刻でした。
その時、男性の母親から懇願されたといいます。
訪問看護師・藤田愛さん:「息子を病院の廊下の片隅でもいいから、入院させてもらえませんかと。私に向けて両手を合わせられる。でも、私にはどうしようもない」
藤田さんは、保健師に必死に訴え、男性は、その日のうちに救急搬送されました。1週間待ち続け、ようやくかなった末の入院でした。しかし、その後、男性は亡くなりました。
訪問看護師・藤田愛さん:「お母さんに電話して、その後いかがですかと聞いたら、きょう亡くなりましたというお返事だった。電話切った後、10分か30分か放心状態。毎日必死にやっても、つかんだ命を絶対に手放さないでおこうと思っても、この指の隙間から命がこぼれ出ていく」
自分の力の小ささを実感した瞬間。それでも、藤田さんは止まることはしません。
訪問看護師・藤田愛さん:「こんな現実があるっていうのは、遠いようで身近。悲劇が繰り返されないためにできることって、感染者数を減らすしかなくて。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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