苦しいアパレル業界を応援したいと、都内の町工場が立ち上がりました。20トンにも及ぶ廃棄寸前の大量のジーンズを丁寧に修繕し、復活させます。
ヤマサワプレス・山澤亮治代表:「これが海外から入ってきた、そのままの状態です」
アメリカから仕入れた大量のブランドジーンズ。その量、なんと約20トン。
ヤマサワプレス・山澤亮治代表:「廃棄されるモノがあると聞いて、うちの工場で再生できないかというのがきっかけでした」
東京・足立区にある『ヤマサワプレス』は、衣料品の補修やアイロン掛けなどを手掛ける町工場です。アパレル業界で問題となっている大量廃棄を何とかしたいと、ジーンズのリサイクルに乗り出しました。ところが・・・。
ヤマサワプレス・山澤亮治代表:「本当に厳しい状況にはありました。仕入れてすぐにコロナだったので」
コロナ禍で倒産したアパレル関連の会社は158件に及びます。手をこまねいていては、あすは我が身です。
ヤマサワプレス・山澤亮治代表:「洋服を陰で支える仕事をしてきたメンバーなので、(職人)ならなんとかしてくれると思った」
今こそ、町工場の底力を。職人たちが立ち上がりました。
まずはジーンズを解体します。そこで活躍するのが“バラシの裕子”。
解体の職人・近藤裕子さん(44):「どの場所からいったら早いか、毎回違う順番で外しています」
続いて、汚れたジーンズを特殊な洗浄液に漬け込みます。しつこい汚れを落とすのは“ブラッシングの広美”。
ブラッシングの職人・檀上広美さん(48):「生地が傷まないように、たたきすぎないようにしています」
天日干しした後に腕を振るうのが“補修のキートン”。繊細な技が要求されます。
補修の職人・キートンさん(61):「僕らがやっているのは全部傷付きモノなので。ポイントがずれるとまた破れる」
そして最後の仕上げ、アイロン掛けは・・・。
ヤマサワプレス・山澤亮治代表:「うちの会長、父で職人の山澤治夫でございます」
この道50年以上の大ベテランです。
職人の力で廃棄寸前のジーンズが生まれ変わりました。リメイクしたオリジナル商品は約20種類。
女性客:「すごくオシャレだと思います」「こちらのやつ買ったんですけど、すごくかっこいい。なんか特別な感じ」
来年には「三越伊勢丹」でも販売予定。コロナ禍で町工場の底力が試されています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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