「痕跡この世からなくす」ジャニーズ解体にファン・当事者は エージェント契約の課題(2023年10月2日)

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再出発の一歩を踏み出すため、東山紀之社長らが2日に記者会見を行いました。ジャニーズ事務所は社名を変え、被害者の補償に特化した会社へと移行するとともに、タレントたちのマネージメントのために新会社を発足させると発表しました。

東山社長:「前回の会見では、ジャニーズ事務所という社名を残すとしましたが、それこそが、私たちが“内向き体制”だと批判され、当然のことと感じていました。私どもはそうした反省のうえに、本当に再出発というのは、どういうものか考えてきました。井ノ原とも真剣に討論をしてまいりました。自分たちでジャニーズ事務所を“解体”し、被害に遭われた方々に真摯に向き合い、最後まで補償を行い、新しい会社でファンの方々と一緒に、新しい未来を切り開いていく。これが私たちのビジョンです」

60年以上掲げてきた『ジャニーズ事務所』という看板がなくなります。社名を『SMILE-UP.』に変更。被害者への補償に専念し、補償を終えた後、廃業することとなりました。この「スマイルアップ」という言葉は、ジャニー氏が存命の時から事務所が行っていた社会貢献活動『Johnny’sSmileUp!Project』でも使われていました。

東山社長:「スマイルという言葉に違和感を感じる方もいると思いますが、まずは被害に遭われた方々への支援や補償を少しでも早く進めることが『SMILE-UP.』社の社会的責任と考えております」

補償を担う『SMILE-UP.』の代表取締役社長には、東山氏が就任。さらに、藤島ジュリー氏が取締役として残ります。一方で、『SMILE-UP.』とは別に新しく設立されるのが、所属タレント個人やグループとの間で、個別に契約を結ぶエージェント会社です。こちらも社長には東山氏が。副社長は、元V6の井ノ原快彦氏が務めることとなりました。

東山社長:「すべてを会社に委ねたり縛られたりすることなく、タレント自らがその活動の方向性に応じて、自分自身で活躍の場を求めていくことになります。お互いの知恵を出し合いながら、そのタレント活動を最大限サポートしていきたい。若手タレントなどはエージェント契約形式ではなく、新会社に所属することもできるということになります」

2日の会見にジュリー氏は姿を見せず、井ノ原氏が手紙を代読する形に。大半を占めていたのは、おじのジャニー氏や、母のメリー氏との関係についてでした。

代読されたジュリー氏の手紙:「ジャニーと私は生まれてから一度も、2人だけで食事をしたことがありません。会えば普通に話をしていましたが、深い話をする関係ではありませんでした。母メリーは、私が従順な時はとても優しいのですが、私が少しでも彼女と違う意見を言うと、気が狂ったように怒り、たたき潰すようなことを平気でする人でした。心療内科の先生に『メリーさんはライオンで、あなたはシマウマだから、パニック障害を起こさないようにするには、この状態から逃げるしかない』と言われ、自分で小さな会社を立ち上げ、そこに慕ってくれるグループが何組か集まり、メリー、ジャニーとは全く関わることなく、長年仕事をしておりました。ジャニーズ事務所を廃業することが、私が加害者の親族として、やり切らねばならないことなのだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたい」

「ジャニー氏の痕跡を一切なくす」。これまでグループ名などに使われてきた「ジャニーズ」という言葉は今後一切、使わないことも明らかにされました。

東山社長:「(Q.ジャニーズが付いたグループの名前は変わるのか)本当にみんな、たくさんのファンに愛されてきた名前ですから、本人たちもすごく葛藤はあると思うんですね。ただ、やはり変えていくということは聞いております。本人たちも苦渋の決断をしたと思うんですが、そういう形になっていくと思います。すべてジャニーズと付くものはなくなります。(Q.メンバーが名前を決めるということか)考えているようです。(Q.ジャニーズが付くグループ会社は)それもすべて変わります」

事務所の窓口に被害を申告し、補償を求める人は、すでに325人に及んでいるといいます。

東山社長:「これほどだったのかという思いが強いですね。やはりケアをしていくことを、きちっと考えなければならない。勇気を出して、ここに出てきてくれたんだなと思いますし、また今後、その人数が増えるかもしれないということなので、勇気を出して声を上げてくれたら、ありがたいなと思います」

現状、事務所への在籍が確認できたのは150人程度。東山氏はすでに3人と面会し、当事者の会とも会う予定だといいます。補償は11月から始まる予定で、金額の算定は、外部の弁護士で構成される救済委員会が行うとしています。補償を手掛ける『SMILE-UP.』。ジュリー氏がジャニーズ事務所から引き継ぎ、株を100%保有し続けることになりました。

代読されたジュリー氏の手紙:「今回、なぜ私が100%の株主で残るのかと、多くの方々から批判されました。実は多くのファンドの方々や企業の方々から、私個人に有利な条件で買収のお話もたくさんいただいております。そのお金で相続税をお支払いし、株主としていなくなるのが、補償責任もなくなり、一番楽な道だとも、何度も何度も多くの専門家の方々からアドバイスされました。しかし、100%株主として残る決心をしたのは、他の方々が株主で入られた場合、被害者の方々に法を超えた救済が事実上できなくなると伺ったからでした」

繰り返し性加害への認識を問われた、東山氏は…。

東山社長:「結論的に、やはり僕は見て見ぬふりをしていたことになるのかなと。もし、あそこで本当に勇気を出して僕が言っていたら、僕自身はここに座っていないと思いますし。だからこそ、僕が向き合っていかなきゃいけないなと」

残されたタレントはどうなるのか。今回、新たに立ち上げるエージェント会社。名前は、ファンクラブ会員による公募で決めるということです。

井ノ原氏:「新会社ではですね、ファンの皆さんのお力をお借りしたいと考えております。これだけ厳しい状況にあっても、ファンの皆さんがグッと耐えて、僕らを見守ってくださったこと。先輩や仲間たち、それから後輩たちからも、ファンに対する感謝の気持ちは、僕にも届いておりますし、みんなは口をそろえて、それを感謝しておりました」

1カ月以内に設立され、その資本は役員や従業員などで構成するということですが、詳細はまだ決まっていないといいます。所属アーティストの楽曲などは、どうなるのでしょうか。

木目田裕弁護士:「(Q.これまでの楽曲・肖像権など、コンテンツ周りの管理はどこがする)完全にですね、まったく新しい会社を作ります。コンテンツあるいは知的財産権といったようなものも含めてですね、新会社で一緒になって活動されるタレントの方に必要なものについては、すべて新会社が保有できるように。そのような形で、ちゃんとこれから、そのスキームを作ってまいりたい。新会社作るっていうけども、結局その『SMILE-UP.』が“新会社から何らかの形で収益を吸い上げるんじゃないか”と。決してそんなことが生じないようにですね。分断したスキームをつくりたいというふうに思っております」

タレントやグループが今後、新しい会社と契約を結ぶかどうかは、ファンクラブを通じて知らせていくということです。会見では、退所が取り沙汰されていた元V6の岡田准一さんについても。

井ノ原氏:「(Q.“岡田准一さんが退所”のニュースも出ていましたが)岡田准一に関しては連絡取っています。こんな言い方あれなんですが、何も変わらないので、我々の関係性は。だから、会社があって『会社に出るとか、そういうこと関係ないよね』って話をしていて。エージェント契約、エージェント会社にしていくことは『そういう自由度もあるんだ』ということを、僕も感じております。(Q.他にも退所の意思のある人はいる)今のところ聞いておりませんが、この発表があって、どういうふうに思うかは、それこそ自由だと思いますので、皆さんも、そのあとは見守っていただければと思います」

終了後、岡田さんは11月30日をもって退所すると発表しました。

岡田准一さん:「今回のことでファンの皆様、お世話になっている関係者の皆様、これからお仕事をご一緒させていただく皆様に、ご迷惑やご心配をこれ以上おかけしたくない。何よりモノづくりのクリエイティブだけに向き合うという、自分の中心を崩したくないという思いからの退所でございます」

井ノ原氏:「やっぱり被害者の皆さんが、いわれのない誹謗中傷。今まで声を上げられなかった。それぐらい強いものだったと。一人が勇気を出してくれたおかげで、何人もの人たちが告白できたんだと思いますし、それを無駄にしてはいけないとも思っております」

未来を託されたファン、そして性加害問題の当事者は、どう受け止めたのでしょうか。

ジャニーズファン:「ジャニーズっていうグループ、事務所自体を推しつつ、その中でのタレントでもあったので、名前がなくなってしまうのは悲しい」
ジャニーズファン:「歴史が終わってしまう感じで、重く受け止めています」
ジャニーズファン:「残念な気持ちはあるんですけど、世間一般の方々が納得するなら、仕方がないのかなと思う」
ジャニーズファン:「私たちは“ジャニオタ”じゃなくて、何て呼ばれるんやろと。“スマオタ”ですかね」

ジャニーズの名がつくグループのファンにとっては、一大事です。
ジャニーズファン:「『関ジャニ∞』が好きなので、気になる。何ていう名前になるんだろう」
ジャニーズファン:「(名前が)なくなっても、ジャニーズWESTのみんながいてくれたら、応援できたらそれでいいかなと思ってます」

何よりも心配なのは、応援するタレントの今後です。
ジャニーズファン:「いま所属しているアーティストを第一に守ってほしい。もちろん被害にあった方々への救済は、また別でちゃんとしてほしい。ファンである以上は、自分の大好きなアイドルが守られてくれれば、それが一番うれしい」
ジャニーズファン:「今までまとめてやってきたのが、(エージェント契約で)バラバラになって、どうなるのかなと。ちゃんとうまくいくのかなと。それぞれのグループが、今までみたいに活動できるのかなと」

新会社の名称は、ファンクラブでの公募が発表されました。
ジャニーズファン:「『スマイルアップ』を否定するわけじゃないけど、もう少し『ジャニーズ』みたいな」
ジャニーズファン:「ジャニーズの名前が強くて、急に変わるというのが、嫌ではないけど、受け止めきれない」
ジャニーズファン:「決まるまでの間、何て呼べばいいのかわからない。一緒に決めさせてくれるのはうれしいけど、なんやろ難しい」
ジャニーズファン:「大喜利大会が始まったのかなって。それは、それでおもしろいかなって思いますけど。何もなく急に現れれるよりかは、ファンが考えた内容からアイデアを出すのはいいと思います」

実名で被害を訴えてきた橋田康さん(38)は、公募には残念な思いがあるといいます。
元ジャニーズJr.・橋田康さん:「これだけエンターテイメントのリーダーシップをとってきた会社、それは性加害問題とは、僕は別だと思っていますので、たくさんの人たちに影響を与え、引っ張ってきた存在。名前を変えるときも、そうであってほしかったなと。
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