3日に台湾で起きたマグニチュード7.7の地震で、これまでに10人の死亡が確認された。このうち5人が落石によって亡くなっている。地震の直後に巨大な岩が滑り落ちる様子をドライブレコーダーが捉えていた。
■巨大落石 車を直撃…衝撃の瞬間
地震発生直後、山道を走っていた車のドライブレコーダー映像。前を走る車がバックし始めると、巨大な岩が前方の車を直撃。その後も次々と落石が襲う。
映像をよく見ると、前の車がバックし始める直前、周りの木々が大きく揺れているのが分かる。しばらくすると、前方の道路を大きな岩が通過。その直後、前方の車を直撃した。
次々と巨大な岩が落下した花蓮県では、落石の爪痕は至る所に残っている。落石が山から崩れていて片側を塞いでいる。トンネルの前にも、人の背丈ほどはある大きな石が落ちている。
花蓮県は海沿いに切り立った断崖が続き、台湾でも有数の観光地として知られる。
観光の目玉でもある急峻な山。道路脇にそびえ立つ山から大量の土煙が一気に下り落ちる。山が崩れた瞬間だ。
こちらの道路では、トンネルを抜けた先にはあるべき道が跡形もなくなくなっている。
救助された女性
「どうすればいいのか分からない。石がずっと落ちてきました。恐ろしくて寝られなかった」
地震でこれまでに10人が死亡。1000人以上がけがをしていて15人と連絡が取れず、およそ700人が孤立状態になっているという。
「台湾のグランドキャニオン」とも称され風光明媚な景観が人気の観光地「太魯閣(タロコ)峡谷」。峡谷の険しい断崖は、かつてのサンゴ礁の海底が隆起してできた大理石の崖。流れる川はエメラルドグリーン。絶景スポットとして人気の台湾屈指の景勝地だ。
この映像は峡谷で孤立するホテル従業員や観光客の様子。消防のドローンによって発見され手を振る人もいた。この後、無事に救助されたという。台湾では4日から4連休で観光地には客が多かったことも、孤立状態にある人が多い理由の一つと考えられている。
■一時帰宅「子どもの成長記録が…」
花蓮市内では一階部分が崩れ大きく傾いたビルの足元で重機による作業が続く。ビルが倒れてこないよう土砂を積み上げて補強しているのだという。このビルは5日にも解体作業が始まる予定だ。
復旧の作業を妨げているのが“余震”。地震による被害は市内の複数の建物で発生している。
住民は貴重品などを持ち出すため4日に一時的に部屋に戻ることが許された。台所や寝室では様々なものが落下し散乱。トイレでは便器が根元から抜け転がり落ちている。
住民
「非常に散乱しています。母はお金とか証明書とかを持ち出しました」
家族との思い出の残る我が家の様子を見たこちらの住人は次のように話します。
住民
「片付けていたら、壁に私が作った子どもの成長記録が貼ってあって、その場所が傷んでるのを見て、すごく悲しくなったんです」
■道路陥没 ずれた高架橋…不安の声
震源からおよそ130キロ離れた新北市。本来、建物の基礎部分と同じ高さにあった道路や駐車場が大きく陥没していた。地元住民に話を聞いた。
住民
「山だった部分を削って平らにしたんです。だから、あの辺りは一番弱い部分なんです。もともとの土壌ではない、柔らかい土なんです」
地震の影響でずれた新北メトロの高架橋では、崩落防止の作業が行われていた。
新北市当局によると、運行再開のめどは立っていないという。
交通量が多い幹線道路の上を通っていたメトロの路線。近隣住民は不安の声を上げている。
住民
「これが倒れたら、下には多くの人がいたので…。幸い落ちていないですけど、落ちたと思うと怖いですね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年4月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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