「猛暑日知らずの街」と「涼しい街」 冷房いらず?窓開けて寝ると…寒くて起きる【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年7月9日)

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 各地で猛暑日が続出しています。8日、東京・府中市では最高気温39.2℃を記録し、観測史上1位の暑さとなりました。こうした猛烈な暑さが関東で続くなか、「100年以上猛暑日がない街」千葉県勝浦市の夏はどうなっているのでしょうか。

■東京では40℃に迫る…鮮魚店は悲鳴

 8日、全国で最も暑くなったのは、和歌山県新宮市。観測史上最高の39.6℃を記録しました。

 東京都心では、36℃と今年一番の暑さになりました。東京・府中市では最高気温39.2℃と、今年の都内最高気温になりました。

 練馬では、最高気温38.1℃を記録。この猛暑で、鮮魚店からは悲鳴が聞こえてきました。

丸川水産 渡部正和店長
「(これまでは)表にこう下に氷ひいて、切り身だとか出すんですけども。ちょっとこの状態(暑さ)ですんで、品物はまだ出せないですね」

 暑さのため、日中店先には鮮魚を並べられない状態になっていました。

■千葉県勝浦市…朝市では「おでん」も

 各地で、身の危険を感じるほどの暑さが襲う中…。観測史上一度も猛暑日を記録したことがない100年以上“猛暑日知らずの街”千葉県勝浦市。

勝浦市民
「きょうは涼しいと思います。すごく風が心地いいので気持ちがいい」

 勝浦市の8日の最高気温は31.1℃。とはいえ、関東の他の地点と比較すると、勝浦市だけが他よりも5℃近く低いのが分かります。

勝浦市 企画課 喜瀬知有良さん
「東京から近いところ、関東とか千葉県内で言ったら勝浦が涼しいと思っています」

 「涼しさ」にプライドを持つ勝浦市。実際、地元の方は…。

勝浦市民
「我々は扇風機をちょっと回すかな。エアコンは使ってない」

勝浦市民
「(車で)勝浦を出る時は、エアコンが好きじゃないので窓を開ける。勝浦を出て10分、20分すると窓を開けていられない」

 さらに、近年涼しさで注目される勝浦市には、変化があったそうです。

喜瀬さん
「この5月、6月は、去年の同じ月と比べ、約2倍くらい相談が来ています。一番多いのは『涼しいですか?』っていう。『今、自分が住んでいる所がとても暑くて、熱中症にいつもなってしまうから勝浦に移住したいんだ』って」

 勝浦市で有名な朝市では、移住者による出店が増加。

かつうら朝市の会 江沢修会長
「(移住者が増えて)朝市も活性化したし、人口も若返ってきたというかね。お客さんも自然と、その世代の人たちが増えてきた」

富永優子さん(30)
「移住してきて、2年くらい経ちますね」

 2年前に東京から移住してきた女性が売っているのは「おでん」です。

富永さん
「おでんは夏のほうが売れる。コンビニで夏はおでんをやってないから、食べに来てくれる人もいらっしゃいます」

 「涼しい街」とはいえ、7日の最高気温は28.5℃。そんな中、おでんを食べるお客さんは…。

埼玉からの観光客
「(おでんを)埼玉では食べようとは思わないです」
「思わないね」
「ここならではですね」

 なぜ、勝浦市は他の地域よりも涼しいのでしょうか?

喜瀬さん
「勝浦市は海がありまして、その深く冷たくなった海から冷たい空気が風に乗って陸に来ることで、涼しいと言われています」

■猛暑日知らずの街…ひんやり×絶景スポット

 そんな勝浦市で、さらに涼しくなれる絶景スポットがあります。勝浦屈指の景勝地「鵜原理想郷」です。早速、向かってみました。

 サーモグラフィーで見てみると、手前の地表は40℃を超えてます。トンネルの中の温度27℃で、外と15℃くらい差があります。

 トンネルを抜けると、今度は木々がトンネルとなり、日陰を作ります。

 ハイキングコースの先には、勝浦の海が広がっています。

 さらに、いちおしの絶景ポイントがあります。360度の絶景を楽しめる「黄昏の丘」。まさに、見渡す限りの大パノラマです。

 そして、ハイキングの最後に辿りついたのは「鵜原海岸」。「日本の渚百選」にも選出され、その美しさからSNSでも人気の撮影スポットです。

■“涼しい街”のお宅を拝見

 さらに、関東には勝浦に負けず劣らずの“涼しい街”もあります。都心から車でおよそ2時間半、茨城県の高萩市です。

 8日、都心は最高気温が36.0℃と猛暑日を記録しましたが、高萩市では6℃ほど低い29.9℃でした。

 高萩駅周辺には、海から涼しい風が断続的に吹き込んでいます。今月の東京都心の最高気温と比較すると、7℃近く低い日もあります。

 地元の人はこの気温について、こう話します。

地元住民
「朝晩は涼しいと思いますよ。涼しいことは涼しいと思う。だからニュースで熱中症、あんまり感じたことないから分からない」

 夜に窓を開けて寝ると、寒くて起きてしまうほど涼しいといいます。

地元住民
「(Q.日中でも窓開けておけば、そんなに?)そんなに(暑くない)」
「(Q.冷房を使用する感じ?)感じではないです。今まで冷房使ったことがないので」

 別の地元住民も…。

地元住民
「今、家に居たんですけど涼しいです。エアコンも何にもいらない。風が入って」
「(Q.暑い日中でも網戸にしておけば?)(エアコン)いらないです。娘たちが東京に居るんですけど、帰ってくると別世界だねと言います」

■「冷房いらず」涼しい街…穴場スポットも

 実際に、自宅に上がらせてもらいました。

地元住民
「(Q.本当だ!確かに、ここだけでも風がふわっと感じます)エアコンは、日中かけないです」
「(Q.ここにエアコンがあるけど…すごい!!)涼しいでしょ」
「(Q.カレンダーもほら!ふわって)バサッて落ちるんです、風で」

 窓を開けると部屋の中に涼しい風が吹き付け、エアコンを使う必要がないといいます。

地元住民
「(Q.覚えてる限りで、冷房入れたの何回くらい?)冷房、何回でしょうね。これ冬の方が活躍してるんです」
「(Q.日中はほとんどつけない?)つけない。扇風機もありますけど、扇風機も出さないです」

 昼間でもエアコンはおろか、扇風機さえも使わないといいます。中には、冷房がない家もあるそうです。

地元住民
「冷房は使ってないよ、もちろんないから。なくても、ずっと大丈夫なくらいに」
「買うつもりないね、冷房は」
「冷房はいらない」

 高萩市では夏でも冷房を使わないため、冷房自体がない家もあります。

 なぜ高萩市は、夏でもここまで涼しいのでしょうか?

 そのメカニズムは、北からの冷たい海流が沿岸に流れ込むことで、水温で冷やされた海風が入ってきます。さらに内陸近くに山があるため、その冷たい空気をとどめることで、暑くなりにくいといいます。

 3年前に高萩市に移住してきた女性は、自然の中で味わえるサウナをオープン。夏でも涼しい風と冷たい川の水が、サウナで火照った体を癒やしてくれます。

貸し切りサウナを経営 山形実和さん
「(Q.この場所の良さは?)ずっと沢音が聞こえていて、夏は涼しく過ごせる」

 “涼しい街”のサウナを齋藤リポーターが体験。都内の暑さを忘れ“涼しい街”のサウナを満喫しました。

 他にも高萩市には知る人ぞ知る“ひんやりスポット”が、いくつも点在します。

 「日本の渚・百選」の一つに選ばれている風光明媚な高戸小浜海岸や四季折々の渓谷の自然を楽しむことができる花貫渓谷。この時期、およそ60メートルある「汐見滝つり橋」は緑のトンネルに覆われ、照り付ける日差しを和らげてくれます。

 キャンプ場では涼を求め、家族連れでにぎわい、スイカ割りを楽しむグループもいました。

千葉県からの観光客
「本当に涼しいですね」
「だから、あんまり内緒にしたいかも。あまり混んでほしくない感じだよね」
「穴場ですよね」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年7月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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