広がるワクチン接種の効果は?忽那医師が読み解く(2021年6月14日)

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ANN
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緊急事態宣言の期限まで1週間を切るなか、高齢者の約3分の1が1回目のワクチン接種を終えました。

現場でコロナ患者の治療にあたっている、国立国際医療研究センター・忽那賢志先生に話を聞きます。

(Q.現場でワクチンの効果を実感されていますか?)
感染者のなかにワクチン接種をした人も見られるようになってきましたが、やはり症状は軽いという印象を持っています。ワクチン接種をしても感染をすることはありますが、重症化しにくいという効果が出ているのかと思います。また、ファイザーとモデルナのワクチンに関しては、2回の接種で90%以上の感染予防効果があると報告されていますので、接種が進めば大きな効果が期待できると思います。

(Q.発症予防ではなく、感染予防とはどういうことですか?)
PCR検査を週に1回行って、感染するかどうかを研究しているデータが報告されていて、感染そのものを防げることが分かってきました。つまり、ワクチンを接種した人が、周りの人に広げないようになるということになります。

(Q.東京都では、ワクチン接種が始まる前の第3波と比べ、第4波では医療機関と高齢者施設での感染者数が非常に少なくなっています。これもワクチン効果と言えますか?)
医療機関のクラスターに関しては、医療従事者のワクチン接種が進んでいるので、それによって減っていると考えられます。一方、高齢者のワクチン接種が始まっているものの、効果が出るのはこれからだと思われます。高齢者施設に関しては、1年半の間で感染対策が向上していることの表れではないかと思います。施設以外でも高齢者へのワクチンの効果がはっきりと表れるのは、これからだと思います。

(Q.前回の緊急事態宣言解除の1週間前と、現在の東京都の感染状況を、年代別の割合で比較すると、20代と30代の割合が増えています。これはどういう状況ですか?)
今回の第4波は若い人が多いことが特徴だったことと、第3波までの間は、最初は若い世代が職場や会食で感染して、その後、家庭内や高齢者施設などに持ち込まれることで、徐々に高齢層にも広がるというのを繰り返してきました。ここ最近は、1週間前よりも新規感染者数が多い日も出てきていて、リバウンドが懸念されます。この若い世代の増加が第5波の予兆でないかを慎重に見ていきたいと思います。

(Q.この状況で緊急事態宣言を解除について、どう考えていますか?)
東京都の医療機関のひっ迫状況は改善されていますので、そうした状況からは解除という判断はあり得ると思いますが、変異株が広がっているので、解除後すぐに再増加が起こり得ます。オリンピック・パラリンピックを開催するのであれば、開催中の医療機関のひっ迫は避けるべきで、そのためには今よりもできる限り感染者を減らしておくことが望ましいと考えられます。解除するかどうかについては、そうした観点からも検討されるべきだろうと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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