サッカー南米選手権“バブル方式”破った本人を直撃(2021年6月27日)

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ANN
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26日後に迫ってる東京オリンピックで感染対策の鍵を握る「バブル方式」。サッカー南米選手権は「バブル方式」で開催されているのに感染が拡大する事態になっています。一体何が起きているのか、外部からバブルの中に簡単に入れたという男性を取材しました。

▽なぜ?「バブル方式」でも感染拡大
13日からブラジルで開催中の南米選手権「コパ・アメリカ」。感染拡大を防ぐため“バブル方式”を導入。しかも無観客での開催で南米サッカー連盟は「世界で最も安全なスポーツイベント」と主張していたのですが・・・
開幕翌日に選手やスタッフ53人の陽性を確認。19日には140人、21日には166人と感染者が急増。ベネズエラの選手10人、ボリビアの選手3人など代表チーム内でも感染が拡大する事態となっています。
厳格な感染対策が施されたバブルの中でなぜ感染は広がったのでしょうか?

▽破られた「バブル方式」原因は?
スポーツジャーナリスト藤原清美さん
「こちらのゲートから人や車が出入りをしています。というのも今大会では大会に関わる全てのスタッフが試合ごとに2日前に新型コロナの検査を受けなければならないんです。その検査場はスタジアムの中に設けられています。」
ブラジル代表選手らを現地で取材するスポーツジャーナリスト、藤原清美さんに聞きました。
「チーム関係者、大会の関係者は厳格にテストを行っていて陰性でなければ入れないっていう形になっているんですけれども(家から)通ってくる人たちもいるわけでバスに乗って家に帰る、家に帰ったら家族がみんなそれぞれ学校だ仕事だって帰ってくるというところで、100%(防ぐのは)どうしてもないじゃないかと。」

原因として浮上しているのはバブルの外からの人の流入です。
南米サッカー連盟は、大会マスコットが無償で提供された中国製ワクチンを接種する映像で大会の安全性をアピールしていましたが、感染した166人の大多数が“ワクチンを打っていない運営をサポートする外部委託職員“だったことが判明。市中感染が広がる中、バブルを出入りする人がウイルスを持ち込んだとみられています。

▽バブルに侵入した美容師を直撃。どうやって入ったのか?
いま物議をかもしている映像があります。チリの代表選手たちが、滞在するホテルに美容師を招き入れていたのです。部外者との接触を遮断し隔離状態に置かれるはずの「バブル方式」。美容師はどうやってバブルの中に入ったのでしょうか?
番組は、その“バブルを破った男”に直接話を聞くことができました。
バブルに入った美容師 ルイス・フェルナンド氏
「確かに僕は“バブル”に侵入したけど、そこまで大騒ぎすることかな。連中はふざけたり踊ったりしてたけど、ちゃんとマスクはしていたし完璧にルールは守っていたよ。」

ブラジルで美容室を営むルイス・フェルナンド氏。タレントやプロスポーツ選手を顧客に持つ地元では有名な美容師だといいます。
「知人にサッカー選手がいて(チリの選手を)紹介してくれたんだ。選手から連絡がありホテルに行く日時を決めて約束通り髪を切ることになったんだ。」
選手の滞在するホテルのフロントで「陰性証明書」を提示した上で、こう告げたといいます。
「『選手の髪を切りにきました』と告げると(フロントが)チームの責任者に連絡してくれたんだ。そこで要件を伝えてくれて選手が迎えてきてくれたのさ。これが私が部屋の中に入っているところです。」
すんなりホテルの部屋へと入り選手7人の髪をきれいに刈り上げたというルイス氏。バブルを破るのは「簡単だった」と言います。
「バブルの内部に知り合いがいれば入るのはそれほど難しくない。選手たちの招待があれば断然簡単なんだ。逆に招待されてないと不可能かもね」
チリの代表選手たちはバブルの中に第三者を呼び入れたため罰金が科されたといいます。
Q.もし東京五輪に来て髪を切ってと言われたら?
「すぐ行くさ、間違いなく行くだろうね。チャンスは逃さない。今すぐっていうなら明日にでも行くね。いや 一時間後に出発するさ」

▽Jリーグで活躍したビスマルク選手が東京五輪で心配なこと
東京オリンピックでコパ・アメリカと同じような事態が起きることを心配しているという人物を訪ねました。Jリーグの黎明期、ヴェルディ川崎で活躍したビスマルク選手。現在は選手の移籍などを手がける代理人でブラジルサッカー界の状況をよく知る人物です。
ビスマルクさん
「閉鎖されたバブルの中にいれば、誰も感染しないと思うのは大きな幻想です。感染して無症状であれば必然的に数日過ごす間に4、5、10人と感染していくでしょう。」
バブルの中で感染者が出た場合、逆に「密」を招きクラスターを起こしやすいと指摘します。
「どんなに選手が接触をしないように心がけても、結局ホテルでも更衣室やスタジアムでも接触があります。(コパ・アメリカ開催は)支払いを済ませたスポンサーの手前、主催者が下した政治的な決断だったと思います。」
東京オリンピックと同じく1年延期されたコパ・アメリカ。世界で2番目に多い50万人以上が死亡する中、開催に反対する世論を押し切って強行した主催者や大統領への批判が高まっています。
実はビスマルクさんは6月3日、父親を新型コロナで亡くし、自身も感染しました。
「想像してみてください、5年間準備を重ねてきた選手が日本に来て感染した場合、五輪に参加できなくなる。とてつもない苦悩、悲しみになるでしょう。だから、ものすごく心配しています。世界的に感染が収まらない中で五輪を開催することは、どの選手も感染しないように慎重にすべきです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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