“ウクライナ新局面”反転攻勢始まるも…ダム決壊で地雷流出「予期せぬ爆発」のリスク(2023年6月11日)

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ゼレンスキー大統領が反転攻勢が始まっていることを初めて認めました。
激戦地ではウクライナ軍が前進しているとの見方もあり、戦況は新たな局面を迎えることになりそうです。

■ゼレンスキー大統領「反転攻勢」認める

「進んで!」
これはウクライナ軍の部隊がネット上に公開した映像。東部の激戦地バフムトで、ロシア軍から陣地を奪い返した時のものだといいます。さらに、南部のザポリージャでも―。ウクライナ軍の兵士が進軍を続ける様子が映し出されていました。
「進め!」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、10日、“反転攻勢”を開始したことを初めて認めました。
(ウクライナゼレンスキー大統領)「ウクライナは“反転攻勢”を実行しているが、どの段階にあるのか詳細は言えない。」
新たな局面に突入するのでしょうか。イギリスの国防省は、ウクライナ軍が大規模な軍事作戦を行い、ロシア軍の最初の防衛線を突破した可能性が高いとの分析を公表。一方で、ロシア国防省はドローンで戦車や装甲車を破壊する映像を公開し、ウクライナ軍を撃退したと主張しました。
(ロシア兵)「見てください。水ですべて流されている」
これはロシア側の政治団体がSNSに投稿したロシア兵の様子です。
(ロシア兵)「本当にヤバい。しかし私たちは諦めない」
南部ヘルソン州で起きた大規模洪水は、今後の戦況に影響するのでしょうか…

■避難中に砲撃ダム決壊で差し迫る危機

6日決壊したカホフカ水力発電所のダム。ロシアとウクライナ双方が相手の仕業だと主張し、今も被害の全容は分かっていません。
(ヘルソン州知事)「水位は4.19メートル。きのうより26センチ下がりました。32の集落で3784戸がまだ水没したままです」
ウクライナ内務省は、10日、避難した住民は2699人。行方不明者は29人に上ると発表しました。ウクライナ軍参謀本部によると、ロシアの占領地域では、避難が許可されているのはロシアのパスポートを持つ人だけだといいます。今もロシアの占領下にあるヘルソン州カホフカ出身のジャーナリスト、バトゥリン氏が現地の同僚から受け取った映像には…
「バス停もビールを飲みに行ったバーも完全に浸水している。もうビールはあそこでは飲めなくなった。占領地域は特に危険な状況です。占領者は何の避難作業も行っていなかった。停電で携帯電話のバッテリーが切れ、6月7日から占領地域の住民と連絡できていない」
そんな中でもロシア軍の砲撃は続きます。救助活動中に砲撃を受け、11人が負傷、4人が死亡したといいます。
(ジャーナリストバトゥリン氏)「救助作業をしている人たちが負傷したり死亡している。同僚のジャーナリストも攻撃にあった。(ロシアは)この大惨事を起こしただけでなく、人々の避難も妨害している」

■“地雷の流出“撤去NGO「最大の問題は…」

洪水による新たな危機も…埋められていた地雷が洪水で流出。爆発の危険が住民に迫っています。
(地雷除去NGOヘイロートラスト担当者)「何カ月も川が戦いの前線だったので、岸辺にはかなりの地雷が埋められています。この2日間は、どの地雷原にもアクセスできていません。地雷原の大半が水に浸かっていると考えられます」
ウクライナで地雷除去をしているNGO。今も100人のスタッフが現地で活動を続けています。
(地雷除去NGOヘイロートラストルイーズ・ヴォーン氏)「先月だけで5000個の対人地雷、対戦車地雷を撤去しました。地雷は何十万個にも及ぶ可能性があります」         
ダム決壊前は、地雷の位置をある程度把握できていたものの、今回の洪水で、それもできなくなったといいます。
(ルイーズ・ヴォーン氏)「最大の問題は、洪水が膨大な土やがれきを運んできて、地雷がその下に埋まってしまうことです。現時点では、どれくらいの数の地雷が、どれだけ遠くまで移動したかわかりません」
ウクライナ非常事態庁は10日、「川に漂流した地雷と弾薬が、予期せず爆発する恐れがある」とSNSで周辺住民に注意を呼びかけました。

■始まった「反転攻勢」“ダム決壊”の影響は

ダム決壊は“反転攻勢”に影響があるのでしょうか。ウクライナ軍のヘーチマン氏は…
(ウクライナ軍ヘーチマン予備少佐)「ウクライナ軍参謀本部は様々なシナリオや敵の行動、環境、天候などすべての条件を考えた上で指令を出した。ダムの爆破は予測していたため、どう行動すればよいかわかっていた」
“反転攻勢”は、半年以上かけて計画されたもので、東部と南部の各方面で淡々と進められるといいます。
(ウクライナ軍ヘーチマン予備少佐)「“反転攻勢”は敵を攻撃するというより、敵がいる位置から押し出すことだ。100両の戦車を終結させ、前進を見せつけることではない。“反転攻勢”でロシア軍の前線は崩れることになる」

6月11日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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