輪島「大規模火災」映像検証 カメラが捉えた“火元と風速”新事実も【サタデーステーション】(2024年1月20日)

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ANN
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サタデーステーションは、19日に大規模捜索が終了した、輪島市の火災現場へ向かいました。

仁科健吾アナウンサー 
「向こうの方までずっと火災が広がっていることがわかります。かなり広い範囲だったことがわかります」

この火災で10人の尊い命が奪われました。国土交通省の調査によれば焼失面積は、東京ドームより広い、およそ5万800平方メートルに及び、300棟が焼失したと推定されています。

住民
「火の海。すごくひどかった本当にすごかった」

一体なぜ、火災はこれほど広範囲に広がったのでしょうか?番組では、現地調査を行った東大の廣井教授と国土交通省の調査データをもとに、CGシミュレーションと現場取材で独自に検証。その結果、新たに分かったことがあります。それは…

■カメラが捉えた“火元と風速”

火元は、複数ではなく住宅街の一か所のみ、では、火災はどのように広がっていったのか?時系列で見ていきます。

【1日午後5時30分ごろ】
映像で最初に炎が確認されたのは、避難する住民によって撮影されました。

【1日午後5時40分】
南西部の1カ所から火の手が上がっています。

【1日午後5時56分】
テレビ朝日のカメラが最初に火災を捉えました。

ヘリコプター
「赤い炎と白い煙が立ち上っています。」

時間経過と共に火災は次第に東側へと広がっていきます。そして…

【1日午後8時13分】
わずか2時間余りの間に、火災は、火元から120m以上離れた場所まで到達していました。しかし、気象庁によれば当日は、風はほとんどなかったといいます。このように火災発生時は、ほぼ無風。そして、火元は複数ではなく1か所のみでした。

■ほぼ無風…なぜ火の勢いは増したのか

仁科健吾アナウンサー 
「火災現場近くの道路は地震によって崩壊した建物で道がふさがれてしまっています。奥の状況が分からないほどです」

理由1『木造密集地の狭い路地』

火災現場となった朝市通りのある河井町は、路地が狭く、昔ながらの家屋が立ち並んでいました。崩れた家屋の木材が、狭い道路の橋渡しとなり、延焼を広げる役割を果たした可能性が見えてきました。さらに時間を進めると、火は衰えることなく、延焼を続けています。

理由2『大津波警報』

仁科健吾アナウンサー
「火災現場は海のすぐ近くでした。当日は大津波警報が出されていました」

地震発生直後に発令された大津波警報により避難が優先され、消火活動などできなかったといいます。

住民
Q.津波が来るのでみんな逃げた?
A.お母さん抱えていたから、とにかく避難しよう。あれがいるこれがいえるといっても、『そんなのいらん命だよ』って連れてきた。

映像を見返すと午後6時5分には、すでに3台の消防車が現場付近に到着しているのがわかります。しかし…

ヘリコプター
「消火活動は行われていない模様です」

仁科健吾アナウンサー
「電柱に消火栓と書かれていますね」

道路わきの消火栓は、崩れた家屋に埋まり使用できず、断水も重なったことで、初期消火は遅れました。

【1日午後8時6分ごろ】
映像から放水が確認できます。

ヘリコプター
「消防による消火活動が行われていますが、火が衰える様子は見えません」

また、この地区ではプロパンガスが使用されていたことから、ガスに引火して延焼を広げた可能性もあります。木造家屋密集地であること、初期消火が遅れたことにより、火災は拡大し延焼を続けました。日付が変わって2日の午前2時30分ごろにも、消火活動は続けられていました。国土交通省の調査では、延焼が止まったのは、2日の午前3時34分ごろ。出火から実に10時間が経過していました。

■延焼を免れた境目”焼け止まり”とは

そして、私たちが注目したのは、延焼を免れた境目。「焼け止まり」です。

仁科健吾アナウンサー
「甚大な被害をもたらした火災はここで焼けどまりました。道路を挟んでこちら側の建物には火は燃え移りませんでした」

一体なぜ、こうした「焼け止まり」ができたのか?実際に現地調査を行った愛媛大学の二神准教授は、私たちの取材映像から次のように考察します。

愛媛大学 防災情報研究センター 二神 透准教授
「道路を挟んでいますね。沿道の建物は耐火材か何かで覆っているように見えます。火が着火しなかったと思います。幅員の大きな道を整備していく事が密集市街地において重要だと思います」

■「火災から身を守る」不燃化特区とは

実際に、取り組みが進んでいる場所があります。今後、発生が懸念される「首都直下地震」。被害想定によれば死者の7割、およそ1万6千人が火災によるものと推定されています。木造住宅密集地域のうち、火災から守るための「不燃化特区」に指定されている東京都荒川区の住宅地。

荒川区防災都市づくり部 住まい街づくり課 村山 洋典課長
「6mへの拡幅整備を現在行っている道路になります。以前は電柱ぐらいまでの幅しかなかったんですけれども、用地を取得させていただいて、ご協力いただいた方の建物も、燃えにくい建物に建てかえてもらっています。」

実際、輪島市で焼け止まった区画を見ると、道幅の広さが延焼を防いだことがわかります。こうした取り組みは、全国にも広がり始めています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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