各地で始まっている高齢者へのワクチン接種では、接種券の情報をカメラで読み取って、接種を終えた人を登録します。ただ、この情報がなかなか読み取れず、自治体からは戸惑いの声が上がっています。
先週から高齢者への接種が始まった静岡県御殿場市では、読み取りに時間がかかるため、接種会場では読み取らないことにしました。
御殿場市健康推進課・細谷洋一郎主任:「自分的には20~30秒かかるかなと。ピントの合わせだとか、読み込みしても機械自体が反応しないことがあって」
読み取るのは、接種券に書かれたバーコードではなく、その下にある18桁の数字です。バーコードで簡単に読み込める別のシステムで情報を登録できるよう改修中ですが、それまでは、接種が終わった後にまとめて読み込まなければなりません。国から支給された端末は、1つの接種会場につき1台しかありません。
御殿場市健康推進課・細谷洋一郎主任:「100人くらいなら終わりますけど、御殿場市はこれから高齢者一日600人くらい打つ予定なので(一日では)終わらないかなと」
他の自治体の担当者からもこんな声が上がっています。
自治体A担当者:「長い時には1分かかることもある」
自治体B担当者:「作業のせいで仕事量が増えている」
相次ぐ自治体からの報告を受け、9月に発足する“デジタル庁の卵”であるIT総合戦略室は、読み取りを補助するためのスタンドを配布すると発表しました。
デジタル改革担当・平井卓也大臣:「本日から自治体に配布希望台数の照会を行い、24日以降、発送を開始する予定」
このシステムは、今年に入って政府がベンチャー企業に委託し、2カ月で開発したものです。
バーコードやQRコードが当たり前の時代に、なぜカメラで数字を読み取るという技術を使うことになったのでしょうか。
IT総合戦略室は、バーコードやQRコードの活用をギリギリまで検討していたといいます。しかし、問題となったのが、厚生労働省が自治体向けの手引きで、バーコードとQRコードを接種券に印字するのは任意としていたことでした。そのため、すべての自治体で共通して印字されている18桁の数字を読み取る形になったとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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