取引先も“再エネ100%に”アップル副社長を直撃(2021年5月19日)

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ANN
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アメリカ・カリフォルニアに広がる巨大な発電施設。アップル本社です。アップルが出資して、建設されました。発電量は、家庭10万軒分に相当し、アップル本社に電力を供給しています。世界最大級のソーラーパネルは、アップルが次に追求する“クリーンエネルギー”の象徴です。

そのアップルが取引先に打ち出した『2030年までに再生可能エネルギー100%』という宿題。つまり、部品の生産や組み立てにかかる電力には、石炭などの化石燃料を使わないよう求めました。

環境プロジェクトの指揮を執るリサ・ジャクソン副社長に、その狙いについて聞きました。
リサ・ジャクソン副社長:「“世界を以前よりも良い形で残す企業”で、私たちはいたい。(再エネへの取り組みは)すべての人にとって良いことだから。アップルの巨大なサプライチェーンにも、私たちの取り組みを広げたいと考えている」

前職は、オバマ政権で環境政策の閣僚を務めたジャクソン氏。アップルでは、世界各地の店舗や事業所の電力を賄うため、発電設備への投資を主導してきました。
リサ・ジャクソン副社長:「(Q.取引先からは提案にどんな反響があったのか)ためらいが生じるのは理解できたし、驚きはしなかった。私たちと、決して脅しや二者択一を迫るのではなく、一緒にやっていきたいと考えている」

「一緒にやっていきたい」という提案を、日本の取引先はどう受け止めたのでしょうか。
日東電工は、ディスプレイに画像を映し出す“偏光板”を主力製品としています。製造には、多くの電力が必要です。太陽光パネルを設置していますが、賄えるのは電力の一部で、100%を再エネにするには、さらなる投資が必要です。
日東電工サステナビリティ本部長・大脇泰人氏:「最大限、自己調達をできるような形で取り組んでいるところ。最終的には、この投資が、経済価値として、企業価値として返ってくると信じて進めている」

電子部品をアップルに納める村田製作所も対応を迫られています。岡山県・瀬戸内市では約1200台分の駐車場に太陽光パネルを設置しました。しかし、工場の多くは北陸地域あり、冬になると雪が降るという課題にも直面しています。対策を急ぐ背景には、世界市場に置いて行かれるという危機感があります。
村田製作所ファシリティ部・坂田繁寛部長:「(アップルの求めは)決して低い目標ではなくて、かなり難しい目標。これから国内外の企業が、サプライヤー(取引先)に対しても、いろんなことを求めてくると考えているし、そこにどう対応していくかというのが各企業の課題」

アップルが求める再エネ100%。日本で応じると表明したのは、約900社のうち、まだ7社です。電力の8割近くを化石燃料に頼っている日本。再エネで作られた電気を電力会社から調達する方法もありますが、買える量は限られています。
政府関係者:「アップルの要望に応えるのは一企業の努力では無理だ」
経済産業省幹部:「再エネの供給量を大幅に増やさなければ、100%を達成するのは難しい」

政府も対応を迫られています。
河野規制改革担当大臣:「日本企業がグローバルなサプライチェーンの中で生き残っていくためには、当然、要求される再エネの調達を、安価にできるように環境を整えなければならない」

アップルが期限とする2030年まで、残された時間は長くありません。
リサ・ジャクソン副社長:「多くの優秀な日本企業と長年、取引してきた。日本のモノづくりが極めて精密だから。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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