緊急事態宣言が延長されている東京。新規感染者は水曜日から4日間連続で1000人を超え、東京都のモニタリング会議ではこのままいけば、8月11日には2400人に達するという予測も。
私たちは、この感染の急拡大にどう向き合えばいいのか。
そして目前に迫ったオリンピックの感染対策について、
厚労省のコロナ対策に携わる国際医療福祉大学・和田耕治教授にお聞きします。
■感染者急増と感染者数1日2400人超予測について
(和田さん)
東京を含めた関東はデルタ株の感染者数が増えているので、この1年半の間で一番感染リスクが高い状態にあります。
繁華街の人流が少し下がってくる傾向はありますが、かなり日常の場面にまで今広がっているような状況です。
特に週末も含めて、そして4連休というところがあるので、4連休後月曜日の受診が増えて、水曜日に多くの感染者数出てくる可能性もあり、かなり厳しい状況が続くと予想している。
■医療提供体制とワクチン接種の効果について
(和田さん)
特に高齢者を中心にワクチンがだいぶ進んだことで、重症の患者さんが減っている傾向が見られていますが、40代から60代の方も1週間くらいすると重症化するということもありますので、いま感染者数が増えている中では、今後は重症者も増加してくる可能性があり、都心の医療体制も厳しくなっているので、熱中症やその他の病気、けがも含めて、健康を守っていただくよう行動していただきたいと思います。
■尾身会長“夏の感染対策呼びかけ”の意図は?
(高島さん)
なんとか感染拡大を抑える必要があるという事で、尾身会長が昨日、この夏の対策として「都道府県を超えた異動は控えめに」「普段会わない人や大人数、長時間での飲食は控えめに」「オリンピックの応援は自宅で」と呼びかけました。
尾身会長がこのタイミングで改めて対策を呼びかけた意図は?
(和田さん)
こうしたことは当然、政治のリーダーである総理や政治のリーダーシップの中での発信というものが期待されるわけですが、その発信力が弱くなっているというところに危惧もあり、宣言の有無だけではなくて、なぜこうなってるのか、そして何をしなければいけないのかということは、もうすでに皆さんよくご存じの所も多いかもしれませんが、改めて皆さんにしっかりと理解をして頂き、自分を守り、地域を守って頂きたいという願いが込められていると考えています。
■若者に“危機感”を届けるには?
(高島さん)
危機感という意味では、若い世代の人にどう届かせるかがポイントになってくると思いますが、葉一さんは、ワクチン接種の流れをユーチューブで配信されたりしていますが、若い人に届けるために必要なことは?
(教育YouTuber 葉一さん)
私だけじゃなく、他のユーチューブで活動している方も、コロナのこととかワクチンのことを動画であげてる方がいるんですが、それで多くの子どもたちが見ることにはなるんですが、やはり身近な家族のひと言とか、経験談がやはり大きいんですよね。
どれだけ映像を通して話すよりも、保護者の方がワクチンを先に接種することになるので、それをお子さんとの話題にして頂き「他人事じゃないんだよ」と話すことで、子供たちが考えるきっかけになるといいのかなと思っています。
(高島さん)
和田さん、葉一さんの意見いかがですか?
(和田さん)
ワクチン接種について、ぜひとも日常の中で話題にしていただきたいというふうに思います。
中にはやはり副反応が強いという方もいますが、それも含めてどう乗り越えたかなど接種をした方は体験をぜひ語って頂きたい。
(高島さん)
そのワクチン接種ですが、65歳以上の方にはかなり進んでいますが、最近では50代問題と言われるように下の世代の重症化も懸念されています。やはり64歳以下の人たちへの接種を進めるということが感染収束への鍵となってくるんでしょうか。
(和田さん)
60代、50代、40代と順次に接種をしていく必要があると考えています。
どちらかというと、60代から50代の女性がワクチンに不信感があるので、この方々にきちんと丁寧に説明をしていくということが、その次の年代も含めて接種を進める上で重要だと考えています。
■IOCバッハ会長の“要望”について
(高島さん)
IOCのバッハ会長は「感染状況が改善したら観客を入れることも考えてほしい」と菅総理に要望しましたが、和田さん率直にこのタイミングでの要望をどう思いますか?
(和田さん)
そんな状況は来ればいいと思いますが、かなり難しいというふうに考えています。
■五輪の感染対策“バブル方式”について
(高島さん)
五輪ではバブル方式という感染対策が行われていますが、バブル破りの行動も問題になっていますが、葉一さん、これで大丈夫なのか、ちょっと心配ですね。
(葉一さん)
オリンピック全体のイメージも悪くなってしまいますよね。
アスリートの方にも集中できない状況になってしまうので、こういったところをきっちりやった上での開催になってほしいと思います。
(高島さん)
和田さん、選手村でも感染者が確認されていますが、バブル方式で選手たちの感染は防げると思いますか。
(和田さん)
コロナに関しては各国で認識がばらばらなところがあります。
それをしっかりと組織委員会で説明して、大会関係者、そして選手が一緒になって、「バブルを維持するんだ」ということが重要になってきますので、ぜひ組織委員会にしっかりとお願いしたい。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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